
停電が起きた時、今の蓄電池だけで会社のサーバーやネットワークは本当に止まらずに持ちこたえられるのだろうか…

バックアップやクラウドはあるけれど、これでトラブルが起きても業務継続できるだろうか
IT企業では、バックアップやクラウドの導入など、さまざまな対策を講じているケースが多いでしょう。
しかし、停電が起きた瞬間に「実際に何が使えて、どこで業務が止まるのか」まで整理できている企業は多くありません。
この記事では、IT企業が業務を止めないために、なぜ業務用蓄電池が必要なのかを分かりやすく解説します。
読んでいただければ、非常時だけでなく日常の業務も見据えた、自社に合った電源対策を考えるヒントが得られるでしょう。
蓄電池の基礎知識|IT企業が押さえるべき電源対策の基本

この章では、蓄電池の基本的な仕組みと発電機との違いについて分かりやすく解説します。
蓄電池とは?基本の仕組みをやさしく解説
蓄電池は、電気を「ためて」「使う」タイミングを自由に選べる装置です。
いわば「電気の貯金箱」のような存在で、 停電時に事前にためた電力を利用してシステムを止めない運用ができるだけでなく、電気代の高い時間帯に使用して電気代を削減するなど電力の使い方を自分でコントロールできます。
蓄電池の主な電気の貯め方は以下の通りです。

蓄電池と発電機との違い|「長時間」と「瞬時対応」の役割分担
発電機と蓄電池は電力供給の役割が異なります。
発電機は燃料を使って電気を生み出す装置で、長時間の停電に強みがあります。
一方、蓄電池は 燃料を使わずすぐ使えるのが特徴です。
一般的に、非常時にはこの2つを併用し、停電直後は蓄電池が電力を供給し、発電機が稼働後に発電機で電気を補います。
IT企業で「蓄電池」が注目される背景

ここまで、業務用蓄電池は停電時にすぐに電力供給できる強みがあることを解説しました。
本項目では、IT企業で業務用蓄電池が必要とされている理由について詳しく解説します。
停電時でもIT業務とシステムを止めないため
IT業務は電力が止まると即座に影響を受けます。
サーバーや社内システムは電力が止まるとすぐに停止し、再起動に時間がかかります。電力が途切れると業務再開までの時間が伸びるため、復旧作業にも影響します。
業務用蓄電池には、停電時に自動で電力を切り替えられる「UPSタイプ」が搭載されているものがあるため、それらを利用することで停電時でも電力供給を途切れさせずに業務を継続することが可能です。
バックアップやクラウドを「使える状態」にするため
データのバックアップやクラウドは、電力があって初めて機能します。
データのバックアップを行ったり、クラウドサービスへアクセスするためには、電力やネットワークが必要です。
停電によりネットワーク機器が使えない場合、一時的にバックアップが止まったり、バックアップが取れていても業務で使用できないなどの事態が起きます。
このように、業務に必要なバックアップや業務継続に必要なクラウドを利用するために 安定した電力供給が必要となります。
業務停止からの復旧を早くして顧客の信用低下を防ぐため
災害時やサイバー攻撃によって復旧が遅れると、顧客への影響が拡大します。
たとえば停電やサイバー攻撃などでサーバーやメールシステムなどが長時間止まると、顧客対応が行えず、原因の確認が出来ない状態も長くなるため企業の信頼低下や評価の悪化につながります。
このように、企業において、トラブルが起きた際はいかに復旧作業を始められる状態を早く作るかが重視されています。
この際、安定した電力を確保していれば、システムの起動確認やデータ復旧、問い合わせ対応を同時に進めることが可能です。
このように、安定した電力供給ができる環境を整えることで、復旧の初動を早め、顧客の信用を守ることが出来ます。
IT企業における蓄電池導入のメリット
IT企業における業務用蓄電池導入のメリットは、単なる停電対策だけではありません。
業務や顧客対応を止めない体制づくり、データを守るバックアップ環境の維持、そして迅速な復旧による信頼確保まで、事業継続を支える重要な役割を担います。
本項目では、IT企業における蓄電池導入の具体的なメリットについて解説します。
停電時の業務停止を防ぎ、企業の信頼低下を防げる
IT企業において蓄電池があれば、停電時も業務と顧客対応を続けることが可能です。
たとえばIT企業では、電力が止まると社内システムや通信が使えなくなり、業務が即座に停止します。
その際、 業務用蓄電池で電力を確保していれば、サーバーやネットワーク機器を稼働させたまま、問い合わせ対応や業務連絡を行えます。
その上で、 停電直後からシステム確認や復旧作業に着手できるため、業務停止時間を短縮でき、企業の信頼低下を防ぐことにもつながります。
このように、業務用蓄電池は業務継続と迅速な復旧の両面から、取引先や顧客の信頼を守るための重要な対策といえます。
バックアップを止めずに実行でき、復旧対応を早められる
蓄電池は、バックアップを確実に完了させるのに役立ちます。
バックアップとは、「データの予備コピー」であり、 停電や、ランサムウェアなどのサイバー攻撃を受けた際は、バックアップの取得が業務の継続や復旧作業で重要です。
バックアップ取得の際、電力が途切れると作業が途中で止まり、中途半端な状態のデータの取得や、データの破損にもつながってしまいます。
業務用蓄電池は、安定した電力供給を実現できるため、バックアップ作業を中断させないことが可能です。
その結果、 復旧時にすぐ使えるデータが確保でき、業務再開までの時間を短縮できます。
日常の電気代削減にも役立つ
業務用蓄電池は非常時だけでなく、日常の電気代対策にも活用できます。
たとえば、 電気代が安い夜に貯めた蓄電池の電気を、電気代の高い昼に利用することで電気料金を抑えることが可能です。
また、 太陽光発電と業務用蓄電池を組み合わせることで昼に貯めた電力を夕方に利用することでも、 ブレーカー落ちを抑えながら月々の電気代削減につながります。
業務用蓄電池は、非常時のみならず、日常のコスト削減も両立する重要な設備です。
バックアップ対策をしていてもなぜ蓄電池が必要か

IT企業では、停電やシステム障害に備えて、バックアップやクラウドを導入しているケースが多く見られます。
ただし、停電やトラブル時に復旧を進めるには、データだけでなく、それを使うための電力が必要です。
ここでは、バックアップ対策をしていても蓄電池が欠かせない理由を整理します。
電源が無ければ復旧の初動対応が遅れるから
停電が起きた際に復旧を早めるには、まず機器を起動できる電力が必要です。
機器が起動できない場合、停電の原因確認や復旧作業に着手することが出来なくなります。
この際、 業務用蓄電池があれば、停電直後からサーバーや通信機器を起動する電力を供給でき、障害の切り分けや関係者への連絡対応をすぐ始められます。
このように、業務用蓄電池は「最初の一手」を早め、復旧作業を止めずに進めるための重要な備えといえます。
バックアップ作業には「止まらない電力供給」が必須
先ほども述べましたが、バックアップを中断せず、確実に完了させるにはインターネットの接続や、機器を稼働させる必要があるため、電力を止めないことが前提です。
バックアップの取得は、途中で止まるとデータの破損や、完全なデータの再取得のために余分な作業が必要になります。この際、 業務用蓄電池で安定した電力供給を行うことで、保存処理や確認作業を最後まで進められる可能性が高くなります。
このように、できるだけ完全なバックアップを取得する際でも、業務用蓄電池は役立ちます。
クラウドがあっても、電気が止まれば仕事も止まる
クラウドは、 「会社以外のどの場所でも同じデータやシステムを使いたい時」に利用しますが、 利用する際には通信機器が必要になるため、電力が必須になります。
つまり、停電やサイバー攻撃などで通信機器が止まると、クラウド上にデータがあってもアクセスが出来なくなり、業務が継続するのが難しくなります。
そのため、クラウド上に保存したデータを利用ためには、業務用蓄電池による安定した電力供給が必要となります。
IT企業で使われる蓄電池のタイプと特徴
PGJ7000PRO|持ち運びやすく視認性に優れた筐体
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型番 | PGJ7000PRO |
| 重量 | 45kg | |
| 容量 | 6961Wh | |
| 最大出力 | 6000W(60A突入電流対応:5秒間) | |
| UPS機能 | ○ | |
| メーカー保証 | 2年間(毎年メンテナンス対応) | |
| 運用例 | 冷蔵庫(300W/時):23時間 スマートフォン(10W/時):630台 ヒーター(250W/時):26時間 |
PGJ7000PROは、大容量・高出力・UPS機能・高速充電を備えたキャリー型ポータブル蓄電池です。
電池残量や入出力電力を確認できるモニターを搭載し、キャリー式で移動しやすく必要な場所へ素早く移動できます。
また、 自動消火装置が付いているため、安全性にも配慮されています。
PGJ7000PROは、「自動消火機能付き」「持ち運びやすさ」「電力状況のリアルタイム表示」がそろった業務用蓄電池と言えます。
PGJ2600PROMAX|幅広い用途にジャストサイズ
| 型番 | PGJ2600PROMAX | |
| 重量 | 34kg | |
| 容量 | 2560Wh | |
| 瞬間最大出力 | 5000W | |
| UPS機能 | ○ | |
| メーカー保証 | 3年間 |
PGJ2600PROMAXはUPS機能を備え、最大6台まで拡張バッテリーを接続できるため、 施設規模や用途に応じて柔軟に容量を増やすことができます。
移動時はキャリー式で運びやすく、専用アプリで電池残量や出力状況を遠隔で把握できます。加えて内部には 温度や電圧、過充電などを自動で監視・管理するBMS(バッテリー管理システム)を搭載しており、停電時の予備電源として柔軟に活用できます。
IT企業における蓄電池の導入事例
ここまで、IT企業における蓄電池の導入メリットについて詳しく解説しました。
本項目では、問い合わせ対応や受注業務を止めないために蓄電池を活用した具体的な業務用蓄電池の導入事例を紹介します。
IT系企業|音声応答装置の停電対策として業務用蓄電池を導入
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通販サイト運営企業|停電時の受注システムの長期稼働の為に導入
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導入前に確認したい4つのポイント

停電が患者や入居者に影響が出やすい医療・介護施設において、稼働状況に合わせた最適な業務用蓄電池を選ぶことは重要です。
ここでは、導入を検討する際に確認しておきたい4つのポイントを解説します。
設備に必要な電力量・稼働時間を見積もる
業務用蓄電池を選ぶ際は、価格よりも「どのくらいの時間、どの機器を動かしたいか」を明確にすることが重要です。
その判断の目安は、 「容量(kWh)」と「出力(kW)」で、必要な稼働時間や同時使用機器に応じて適切な数値を選ぶ必要があります。容量や出力が不足すると、想定した運用ができないこともあります。
| 項目 | 単位 | 役割 | 判断できること |
| 容量 |
kWh (キロワットアワー) |
ためておける電気の総量 | どのくらいの時間、機器を動かせるかの目安がわかる |
| 出力 |
kW (キロワット) |
一度に使える電気の大きさ | どのくらいの設備を同時に動かせるかを判断できる |
そのため、事前に自施設の消費電力を把握することが大切です。もし計算が難しい場合はメーカーや専門業者にシミュレーションを依頼すると安心です。
停電しても蓄電池が自動で切り替わるか確認する
停電時に業務を止めないためには、電力を途切れさせない切り替え方式が重要です。
蓄電池には、停電時に手動で切り替えるタイプと、 停電時に自動で電力を切り替えられる「UPSタイプ」の業務用蓄電池があります。
サーバーなど停止できない機器がある場合は、UPSタイプを選ぶと安心です。
導入時は、切替方式がUPS対応かを必ず確認しましょう。
設置環境を確認する
業務用蓄電池には屋内型と屋外型があり、どちらが適しているかは、温度や粉じん、設置スペースなど施設環境によって異なります。
たとえば、室温が高く、蓄電池内部の温度が上がりやすい環境では性能や寿命への影響に注意し、粉じんが発生しやすい場所では、防塵性や保守のしやすさを確認しましょう。
また、太陽光発電を利用している場合は連携ができるかの確認も必須です。
| 設置場所 | チェックポイント |
| 屋外 | 防水・防塵性能(IP等級)を確認。 雨風やほこりに強い設計を選ぶ。 |
| 屋内 | 熱がこもらず、保守・点検がしやすい位置に設置。 静音設計タイプを選ぶことで作業環境を維持。 |
- 設置環境に合わない機種を選ぶと性能が十分出ないことがあります。
導入前に、設置場所と目的を確認し、メーカーや専門業者に相談するのが安心です。
メンテナンス体制を確認する
業務用蓄電池は、性能だけでなく 導入後のメンテナンス・サポート体制 の確認が重要です。
定期点検によりバッテリーの劣化やシステム異常を早期に発見でき、停電時の確実な稼働につながります。
また、現場負担を減らすためにも、メンテナンスまで任せられる業者を選ぶと安心です。
導入前に、次の項目を確認しておきましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント |
| 故障時の対応 | 24時間対応か、平日対応のみかを確認。 緊急時の連絡体制があると安心。 |
| 点検・監視 | 定期点検や遠隔監視が含まれているかを確認。 異常検知の自動通知機能があるとより安心。 |
| 保証期間 | 保証が5年か10年かで、長期運用時のコストが変わる。 |
| 契約方式 | リース・保守費込みプランなど、初期費用を抑えられる選択肢も比較。 |
蓄電池の故障や老朽化は、非常時において大きなリスクになります。
導入後も継続して支えてくれる業者かどうか を重視することが、安心運用のポイントです。
よくあるQ&A

バックアップが取れていれば、停電しても大丈夫ではないの?

A. バックアップがあっても、 停電が起きればサーバーや通信機器が起動できず、データの確認や復旧作業を始められません。
復旧には「バックアップデータ」と「復旧作業に必要な機器の起動」の両方が必要です。そのため、停電時も電力を確保できる蓄電池が重要になります。
蓄電池の容量が小さくても、一時的に電源を確保できればデータは問題ない?

A. 場合によっては不十分な場合があります。
復旧作業には、機器の起動、状況確認、データ復元など一定の時間が必要です。
その際、 容量が足りないと、作業途中で再び電源が落ち、復旧がやり直しになる恐れがあります。
必要な稼働時間を想定し、十分な容量を確保することが大切です。
蓄電池は災害時だけのものではないの?

A. 業務用蓄電池は災害時だけでなく、 日常の業務や電気代削減にも役立ちます。
蓄電池は停電時の対策だけでなく、電力使用が集中する時間帯の負荷軽減・電気代削減や、太陽光発電と組み合わせた電力活用にも使われます。
BCP対策と同時に、日常の電力管理やコスト対策にもつながる設備です。
まとめ
IT企業にとって業務用蓄電池は、停電対策にとどまらず、日常の業務を支える重要な設備です。
例えバックアップやクラウドを導入していても、電力がなければシステムの起動や復旧作業に着手できません。この時、業務用蓄電池があれば、停電直後からサーバーや通信機器を動かし、バックアップ取得や顧客対応、復旧の初動を同時に進められます。
業務用蓄電池は、ITインフラを止めない体制を実現し、企業の信用と事業継続を守るための選択肢です。 これから導入を検討する場合はもちろん、すでに導入済みの企業も、現在の容量や稼働時間が自社の業務に適しているか一度確認してみることをおすすめします。





