日本は地震や台風などの自然災害が多く、企業にとって「停電リスク」は避けられない現実です。
もし数時間から数日にわたって電源が使えなくなったら、生産ラインの停止や店舗の営業中断、さらには顧客や社員の安全にも影響が及びかねません。
こうしたリスクに備える手段として注目されているのが「法人向け蓄電池」です。非常時には安心の電源として活躍し、平常時には電気代削減や再エネ活用にもつながるなど、防災と経営メリットを両立できるのが大きな魅力です。
本記事では、災害時の停電リスクから、蓄電池の仕組みや導入メリット、選び方のポイント、補助金情報までを分かりやすく整理しました。自社に最適な備えを検討するための参考にしてください。
災害時に電源が止まるリスクとは

災害は突然起こり、企業活動を直撃する大きな要因のひとつが「停電」です。
普段は当たり前のように使えている電気ですが、途絶えてしまうと業務は止まり、取引やサービス提供にも支障をきたします。さらに復旧までに時間がかかれば、事業そのものの継続や企業の信頼にも深刻な影響を与えかねません。ここでは、停電が企業に与える具体的な影響や、これまでの大規模停電の事例を見ていきましょう。
停電が企業活動に与える影響
店舗やサービス業では、レジや決済システムが止まり、お客様に迷惑をかけてしまう場面も出てきます。特に医療や介護の現場では、機器や空調が使えないことで命に関わるリスクにもつながります。短い停電でも大きな混乱が起きますが、もし数日間続けば、会社の信頼や事業そのものに大きなダメージとなる可能性があります。
自然災害による主な大規模停電事例
日本は災害が多く、過去にも大規模停電が繰り返されてきました。2018年の北海道胆振東部地震では、北海道全域約295万戸が停電する「ブラックアウト」が発生し、社会機能が一時的に麻痺しました。
引用元:毎日新聞
北海道全域が停電となり、繁華街すすきのも真っ暗になりました。ネオン街が一斉に消えた光景は「ブラックアウトの象徴」として報道され、多くの人に停電の深刻さを強く印象づけました。
2019年の台風15号では千葉県を中心に長期間の停電が続き、一部地域では2週間以上も復旧できませんでした。最近は大雨や台風の勢力も強まっており、停電リスクは年々高まっているといわれています。「うちは大丈夫」と思っていても、実際にはどんな業種・地域でも停電の影響を受ける可能性があり、備えは欠かせないものになっています。
災害時の電源確保に役立つ蓄電池とは

蓄電池は非常時には電源を守る役割を果たし、平常時にも電気代の削減や再エネ活用に役立ちます。ここでは、蓄電池の種類や仕組みについて簡単に見ていきましょう。
蓄電池の種類と特徴
蓄電池には大きく分けて据置型と可搬型の2種類があります。

据置型は施設や工場に設置し、長時間安定して電力を供給できるのが特徴です。一方、可搬型は移動しやすく、必要な場所に持ち込んで使えるため、災害時の臨時対応にも便利です。
また、電池の中身にも違いがあります。鉛電池は比較的安価ですが、寿命や容量に制限があります。リチウムイオン電池は軽量で高性能、最近では安全性が高く寿命の長いリン酸鉄リチウム(LFP)電池も注目されています。法人が導入を検討する際は、どのくらいの電力をどの時間使いたいのか、将来の拡張性や運用方法を含めて選ぶことが大切です。
蓄電池の仕組み
法人が蓄電池を導入するメリット

災害への備えとして導入されることが多い蓄電池ですが、その効果は非常時だけにとどまりません。
停電時の非常用電源としての安心に加え、電気代削減や企業の信頼性向上など、平常時にも多くのメリットがあります。ここでは、法人が蓄電池を導入する主なメリットを整理してみましょう。
災害時の非常用電源としての安心
| 業種・施設 | 停電時に優先して維持したい設備 |
| 工場 | 生産ライン・冷蔵冷凍設備 |
| オフィス | パソコン・ネットワーク機器・通信環境 |
| 医療・介護施設 | 照明・酸素供給設置・空調 |
こうした電源を確保できることは、事業継続(BCP)の観点からも非常に大きな安心材料となります。
電気代削減などの経営メリット

社員や顧客の安全確保と信頼性向上
蓄電池を導入することは、社員やお客様の安心につながります。
災害時に電源が確保されていれば、社員にとっては安心して働ける環境となり、お客様からも「信頼できる会社」と見てもらいやすくなります。防災に強いというイメージはブランド力や社会的評価の向上にもつながり、最近では取引先からも災害対応力を問われることが増えています。蓄電池を備えること自体が、企業の信頼と競争力を高める大切なポイントになります。
蓄電池導入のポイントと注意点

蓄電池の導入を検討する際には、ただ設置するだけでなく、自社に合った容量や設置環境、費用面での工夫を考えることが大切です。導入効果をしっかり得るために押さえておきたいポイントを、わかりやすく整理していきます。
導入規模の目安
設置環境の確認
蓄電池は長期間使う設備なので、環境条件をあらかじめチェックしておきましょう。
| 確認項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 設置スペース | 本体のサイズ・重量に耐えられるか |
| 周囲環境 | 温度条件、湿度の影響がないか |
| 防水・防塵 | 災害時でも動作を維持できるか |
| メンテナンス | 定期点検やサポート体制の有無 |
設置前に「置けるか」「守れるか」「維持できるか」を整理することが大切です。
補助金の活用
初期費用が大きな課題となる場合は、補助金を上手に使うことで負担を軽減できます。
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国の制度:環境省や経済産業省の補助事業
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自治体の制度:地域独自の中小企業支援枠や防災対策枠
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申請の流れ:募集期間 → 書類提出 → 採択 → 報告義務
専門業者や自治体の相談窓口を活用すると、手続きもスムーズになります。
法人向けおすすめの蓄電池
蓄電池と言っても、タイプや特徴はさまざまです。ここでは、法人が導入を検討する際に特に注目したい3つのモデルをご紹介します。
それぞれに強みがあり、用途や目的によって最適な選択肢が変わります。ぜひ比較の参考にしてください。
| 製品名 | タイプ | 容量の目安 | 特徴・強み | おすすめ利用シーン |
|---|---|---|---|---|
| PGJ7000 | 可搬型 | 約7kWh | 可搬式で即応性あり/自動消火機能/UPS対応 | 災害時の緊急電源、移動先での利用 |
| ELIIY Power | 据置型 | カスタマイズ可 | LFP採用で高安全性/長寿命/拡張性あり | 医療・介護施設、信頼性重視の法人 |
| Powerwall | 据置型 | 約13.5kWh | 太陽光との相性◎/アプリ管理/デザイン性 | 再エネ活用、電気代削減、先進的オフィス |
PGJ7000

引用元:PGJ7000
PGJ7000は、可搬型ながら約7kWhという大容量を備えた蓄電池です。
キャスター付きで移動もしやすく、災害時には必要な場所にすぐに運んで使えるのが大きな強みです。
また、自動消火機能を搭載しているため安全性が高く、さらにUPS(無停電電源装置)としても利用できるので、停電時にも重要な機器を止めずに稼働させることができます。法人向けの蓄電池としては、おすすめの一台といえるでしょう。
ELIIY Power

引用元:ELIIY Power
Powerwall

引用元:Powerwall
まとめ

災害時の電源確保は、防災のためだけでなく「経営リスクを減らす対策」としても欠かせません。
蓄電池は非常用電源として安心をもたらすだけでなく、平常時には電気代の削減や再エネ活用にも役立ち、防災と経営メリットの両立を実現できます。
まずは「自社にどのくらいの電力が必要か」を診断したり、活用できる補助金情報を確認したりと、できるところから始めてみましょう。小さな一歩でも、将来の大きな安心につながります。
